これで完ぺき!わかりやすい【確定申告書A】10のポイント

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確定申告書A

あなたは今、確定申告書Aについてお調べのことと思います。

確定申告書Aとは簡単にいうと、2種類ある確定申告書のうち、簡易なほうの用紙です。

ご自分が確定申告書Aで申告をしても大丈夫なのかどうか、不安な方もいるのではないでしょうか。

ここでは確定申告書Aについてわかりやすく説明しています。

ぜひ参考にしてください。

 

もくじ

1.確定申告書Aはサラリーマン・年金生活者が申告する時の用紙
2.確定申告書Aを使う11の事例
2-1.医療費控除
2-2.ふるさと納税(寄付金控除)
2-3.住宅ローン控除(初年度)
2-4.雑損控除
2-5.特定支出控除
2-6.年末調整で控除できるものをしなかった
2-7.年度の途中で退社し、そのままどこにも就職しなかった
2-8.2箇所から給与をもらっている
2-9.生命保険の満期金(一時所得)
2-10.株の配当金を受け取った(配当所得)<
2-11.アフィリエイト・オークション収入・原稿料など(雑所得)
3.確定申告書Aの入手方法
4.確定申告書Aに必要な添付書類
5.確定申告書Aに書き込む内容
6.確定申告書Aの提出方法3つ
7.確定申告書Aの提出期間と提出期限
8.確定申告書Aの提出先
9.確定申告書Aを提出したあとの納付期限と還付の時期
10.(参考)予定納税について

 

1.確定申告書Aはサラリーマン・年金生活者が申告する時の用紙

確定申告書Aとは、AとBの2種類ある申告用紙のうち、基本的には、サラリーマンや年金生活者が申告する時に使用します。

個人事業主やフリーランスは確定申告書Bを使います。

 

・確定申告書A…サラリーマン、年金生活者、パート・アルバイトなどが使用(ただし確定申告書Aを使える要件に当てはまっている場合のみ。詳しくはのちほど説明します)

・確定申告書B…個人事業主やフリーランス、その他Aでは申告ができない人

 

確定申告書Aは、サラリーマンや年金生活者など、普段あまり確定申告をしない人のために、必要項目だけを取り出してカンタンに申告ができるようにした用紙です。

通常、サラリーマンには「年末調整」といって会社で税金の計算をしてくれるシステムがありますが、年末調整ではもともと行えない申告や、うっかり提出を忘れた場合に、確定申告書Aを使って申告をします。

 

ただ、確定申告書Bはすべての申告で使うことができます。

確定申告書Bは、確定申告書Aよりも記載項目が多いのが特徴です。

「項目が多くても気にならない」「ごちゃごちゃ考えてしまって迷う」のならば、確定申告書Bを使って確定申告を行っても良いでしょう。

以下から具体的にどのような場合に使用するのかご説明します。

 

2.確定申告書Aを使う11の事例

サラリーマンや年金生活者などは、次のような場合に、確定申告書Aを使って確定申告を行います。

2-1.医療費控除

医療費控除(いりょうひこうじょ)とは、病気や怪我の治療費や、薬局で買った風邪薬など、医療費にかかった金額を、所得から少なくする制度です。

かかった治療費の全てを適用できるわけではなく、金額に制限がありますし、他にも要件があるので注意が必要です。

詳しくは「【2016年確定申告】医療費控除の完全攻略ポイント7つ」をご覧ください。

2-2.ふるさと納税(寄付金控除)

寄付金控除(きふきんこうじょ)とは、地方自治体など特定の団体に寄付をした場合に、申告をすることで所得税や住民税を少なくすることができる制度です。

ただ、サラリーマンは2015年4月からある一定の条件を満たせば確定申告は不要となりました。

詳しくは「【2016年確定申告】寄付金控除の完全攻略ポイント5つ」をご覧ください。

2-3.住宅ローン控除(初年度)

住宅ローン控除とは、新築や中古の家を、一定の条件のローンを組んで購入したり、省エネやバリアフリーなど特定のリフォーム工事をすると、年末のローンの残高に応じて税金が還ってくる制度のことです。

初年度の住宅ローン控除を受けたい場合は、必ず確定申告が必要です。

サラリーマンは、2年目からは会社の年末調整でOKですので、会社に必要書類を提出してください。

詳しくは「出来る住宅ローン控除の確定申告ー記入7ステップ」をご覧ください。 

2-4.雑損控除

雑損控除(ざっそんこうじょ)とは、災害や盗難・横領などによって損害を受けた場合に、税金を少なくすることができるものです。

雑損控除は、自然災害のような予期せぬ被害が対象となり、盗難の場合には、盗難されたものが生活上必要な場合のみ対象となります。

また、振り込め詐欺のような、詐欺や恐喝は対象となりません。

2-5.特定支出控除

特定支出控除(とくていししゅつこうじょ)とは、サラリーマンが仕事にかかわる支払いが多い場合に控除できるものです。

要件を満たせば申告をすることができます。

詳しい要件、計算方法などは「払った税金が返ってくる!会社員とフリーランスの確定申告還付」をご覧ください。

2-6.年末調整で控除できるものをしなかった

サラリーマンが年末調整で控除できるものをうっかりしなかった場合も、確定申告書Aで申告することができます。

以下の場合です。

 

・生命保険料控除・地震保険料控除・小規模企業共済等掛金控除などを提出しなかった

・自分で払っている社会保険料控除(国民年金・国民健康保険)を提出しなかった

・住宅ローン控除(2年目以降)を提出しなかった

・扶養家族が増えた・結婚したなどを会社に言ってなかった

 

以上のような場合は、もう会社では年末調整はしてもらえませんので、自分で確定申告をします。

2-7.年度の途中で退社し、そのままどこにも就職しなかった

サラリーマンが年度の途中で会社を年末調整をしないまま退社し、そのままどこにも就職しなかった場合も、確定申告書Aで申告します。

会社員は、所得税を毎月の給料やボーナス等から源泉徴収(給与天引き)されます。

この源泉徴収はおおよその計算で行うことから、給与天引きされた金額は、必ずしもその人が納めるべき金額と一致しない場合があります。

そこで、確定申告によってこの過不足額を精算します。

年度途中で退職した同じ年に再就職をした場合は、原則として新しい勤務先で前の勤務先の給与を含めて年末調整をすることになっていますから、確定申告は不要です。

2-8.2箇所から給与をもらっている

本業以外にアルバイトなど副業をしていて2箇所から給与を受けている場合は、確定申告書Aを使って申告します。

本業と副業が、同じ“給与所得”である場合には、本業である会社は「主たる給与」、副業は「従たる給与」と言います。

主たる給与は、会社で年末調整をしてくれるので確定申告は不要です。

しかし、副業でアルバイトをしている場合などは、従たる給与は会社では年末調整ができないため、確定申告が必要になります。

副業がアルバイト、キャバクラ(ホステス)、FX、ネット系(アフィリエイト・オークション・原稿料)、不動産投資など、それぞれに所得の種類が違いますので、詳しくは「会社バレを防ぐ!副業しているサラリーマンが注意したい確定申告の方法」をご覧ください。

2-8.生命保険の満期金(一時所得)

サラリーマンや年金生活者が保有する生命保険が満期を迎え、満期金を受け取った場合は確定申告書Aで申告します。

生命保険の満期金は「一時所得」となります。

一時所得とは簡単にいうと、単発的に受け取ったお金のことで、他にも以下のようなものがあります。

一時所得の種類

  • 懸賞や福引きの賞金品、競馬や競輪の払戻金
  • 生命保険や損害保険の満期返戻金
  • 法人から贈与された金品
  • 遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等

2-9.株の配当金を受け取った(配当所得)

サラリーマンや年金生活者が保有する株の配当金を受け取った場合は、確定申告書Aを使って申告します。

株の配当金は「配当所得」になります。

ただ、株の配当金は、申告しなくてもよい場合もあります。

詳しくは「2016年確定申告】配当控除の完全攻略ポイント5つ」をご覧ください。

2-10.アフィリエイト・オークション収入・原稿料など(雑所得)

サラリーマンや年金生活者がアフィリエイト・オークション収入、原稿料などの収入を得た場合は、確定申告書Aを使って申告します。

これらは「雑所得」になります。

雑所得の場合は、所得の合計(売上利益から必要経費を引いたもの)が20万円以上の場合は、確定申告が必要です。 

 

3.確定申告書Aの入手方法

確定申告書Aの用紙の入手方法は以下の3つです。

用紙の入手方法

  • 税務署に行く
  • 国税庁のホームページからPDFをダウンロード
  • 市区町村役場に行く(ただし場所によっては置いてない場合もある)

確定申告時期限定で、国税庁のホームページに確定申告書作成コーナーが設けられています。

それを利用してインターネット上で直接、確定申告書Aを記入、作成することもできます。

確定申告をすると、2年目以降は自宅に直接郵送されます。 

 

4.確定申告書Aに必要な添付書類

確定申告書Aのみの提出で申告が完了するケースはごくまれです。

添付書類は、申告内容により様々です。おおよそ次のようになります。

【必須書類】

・サラリーマン…給与所得の源泉徴収票。年末調整の時にもらえます。

・年金生活者…年金等の源泉徴収票。ハガキ形式で郵送されることが多いです。

 源泉徴収票 支払調書

【必要に応じて添付する書類】

・医療費控除…医療費の明細書、医療費のレシートなど

・ふるさと納税による寄付金控除…自治体から発行されたふるさと納税の受領証

・住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)…住宅借入金等特別控除額の計算明細書、金融機関の年末残高証明書など。詳しくは申告]住宅ローン控除の必要書類の集めかた画像つきをご参照ください。

・雑損控除…災害等によってやむを得ず支出をした金額の書かれたレシートなど

・特定支出控除…仕事にかかわる支払いがわかる領収書など

・生命保険料控除証明書・地震保険料控除証明書・小規模企業共済等掛金控除証明書・社会保険料控除証明書(国民年金・国民健康保険)

詳しくは「はじめての確定申告の必要書類まとめ・画像つき」をご覧ください。

 

5.確定申告書Aに書き込む内容

確定申告書Aは、第一表と第二表の2枚で構成されています。

それぞれの表に書き込む内容は次の通りです。

・第一表…収入金額、所得金額、所得控除の金額、税額などの数字を記入する

・第二表…第一表に記入した金額の内訳や内容などについて記入する

 確定申告A

確定申告書A2

第二表については、下の欄が住民税計算のための記載項目となっています。

住民税の金額は、所得税の申告内容をベースに自治体が計算しています。

正確な情報提供のためにも、漏れなく正確に記入するようにしましょう。

ここでは詳しい記入の仕方は省略しますが、記入の仕方は「確定申告の手引き 確定申告書A」をご参照ください。

 

6.確定申告書Aの提出方法3つ

 確定申告書Aの提出は、以下の3とおりあります。

 

・税務署に直接提出

・郵送

・e-tax(ネット申告)

 

・税務署に直接提出

確定申告の提出は、自分の居住地を管轄する税務署になりますので、そこに直接持参する方法です。

また、確定申告の時期には市区町村役場でも受付を行っています。

自分の居住地を管轄する税務署は、国税庁HPの「国税局・税務署を調べる」で検索することができます。

初めての確定申告の場合は、直接聞きながら行うのも良いでしょう。

・郵送

最寄りの税務署に郵送することでも提出は可能です。

申告書の控えに受付印の押印を希望する場合には、自分の名前・住所を書き、必要な金額の切手を貼付した返信用封筒を同封して郵送します。

もし不備があった場合には、確定申告書類に記載した電話番号あてに税務署から電話がかかってきます。

家にパソコンとプリンタがあれば、国税庁HPの「確定申告書等作成コーナー」で「書面提出」を選んで申告書に数字を入力、作成し、プリントアウトして送るのがスムーズです。

郵送方法は、切手を貼った普通郵便で大丈夫です。

ただ「信書」でないといけないため、ゆうパックやゆうメール、宅急便は使えません。

レターパックは信書が送れますので大丈夫です。

郵送期日は3月15日(土日の場合は翌週月曜日)の日付の消印有効です。

・e-tax(インターネット)

e-Taxは確定申告書を電子データで送信する申告方法です。

手続きをするには、市区町村役場にて電子証明書付きの住基カードの取得や、ICカードリーダライタが必要です。

利用料金はかかりませんが、あらかじめ利用開始の手続きをしておく必要があります。

これから毎年、確定申告をする場合には良いですが、一回限りの場合は直接行くか、郵送の方が良いでしょう。

e-taxで申告した場合、添付書類はすみやかに税務署に郵送する必要があります。

 

7.確定申告書Aの提出期間と提出期限

確定申告書Aの提出期間と提出期限は以下のとおりです。

 

・提出期間…2月16日から3月15日

・提出期限…3月15日

 

例えば、平成27年分の確定申告書Aを提出する場合には、その翌年の平成28年3月15日(火)までに提出しなくてはなりません。

ただし、この提出期限が土曜日または日曜日になった場合には、その翌々日または翌日の月曜日が提出期限となります。

 

 

8.確定申告書Aの提出先

確定申告書Aの提出先は、お住まいの地域を管轄している税務署になります。

お住まいの地域を管轄している税務署は、国税庁HPから検索できます。

国税局の所在地及び管轄区域

他にも「お住まいの地域名 税務署」でインターネット検索すると検出されます。

 

9.確定申告書Aを提出したあとの納付期限と還付の時期

 確定申告書Aを提出したなら、次は税金の納付と還付が気になりますよね。

税金の納付と還付の時期は以下になります。

 

納付期限…3月15日

還付の時期…おおよそ申告書提出から1か月前後

 

 もし、確定申告の計算の結果、納めるべき税金が出た場合の納付の期限は、確定申告書Aの提出期限と同じ日の3月15日になります。

3月15日が土曜または日曜であった場合も、確定申告書Aの提出期限と同様、翌々日または翌日の月曜日が納付期限です。

申告書の提出後に、税務署から納付書の送付や納税通知書等によるお知らせはありませんので注意してください。

また、還付(お金が戻ってくる)場合には、おおよそ申告書提出から1か月前後が還付の目安となります。

ただし、確定申告期間の早い時期に還付申告をすると、早めに還付がなされることもあります。

 

 

10.(参考)予定納税について

確定申告書Aは「予定納税」がない場合に限り使用できます。

予定納税とは、前年の所得税が15万円以上のときに納める前払いの税金で、該当者と思われる人には税務署から予定納税の通知がきます。

前年に予定納税をしている場合は、確定申告書Aを使用して申告することはできません。

基本的には、毎月会社で源泉徴収(給与天引き)されているサラリーマンは、予定納税の通知がきたことはないと思います(まれに前年に確定申告をしていると、くる場合もあります)。

確定申告書Aを使用する人は、予定納税をしていることはあまりないと思われます。

もしあった場合は確定申告書Bをお使いください。

 

最後に

いかがでしたでしょうか。

 もう一つの主要な申告用紙である確定申告書Bについては、「これで完ぺき!わかりやすい【確定申告書B】9のポイント」をご覧ください。

 

 

 

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