あなたは今、合同会社を設立するにあたっての費用についてお調べしていることと思います。
合同会社は、株式会社に比べて安く設立できることから、設立を選択される方が増えてきた法人形態です。
ここでは合同会社を設立するのに必要な費用に関することや、合同会社設立の流れやメリットデメリットなどお話いたします。
ぜひ参考にしてください。
もくじ
0. 合同会社の設立に関する費用項目
1. 法務局の設立登記にかかる費用
2. 印鑑関係(会社と個人)
3. 合同会社の資本金
4. 合同会社設立を代行業者にお願いした場合の費用
参考. 合同会社設立の流れとメリット・デメリット
0.合同会社の設立に関する費用項目
合同会社を設立するための費用は、それほど多くありません。
合同会社設立に最低限かかる費用合計は80,651円です。
下記がその費用項目になります。
合同会社の費用項目
【1. 法務局の設立登記にかかる費用】
・法務局にて登記する際の登録免許税…6万円
・紙の定款に貼る収入印紙…4万円(電子定款の場合は不要)
・電子定款を作成する機材…約1万円(電子定款を自分で作成しない場合は不要)
【2. 印鑑関係】
・会社の実印…7000円~
・会社の印鑑登録…無料
・会社の印鑑カード…無料
・会社の印鑑証明書…450円/1通
・個人の実印…3000円~
・個人の印鑑登録…200~500円
・個人の印鑑証明書…200~400円/1通~
【3. 資本金】
・資本金…1円~
【4. 会社設立を代行業者にお願いした場合の費用】
・代行業者の手数料…数千円~数万円(任意)
1.法務局の設立登記にかかる費用
法務局とは、土地・家屋・会社などの登記をするところをいいます。
簡単に例えると、赤ちゃんが産まれた時に区役所や市役所に出す出生届のようなものです。
合同会社は法務局で登記をして初めてその存在を認めてもらえることになります。
法務局はどこに行っても良いわけではなく、会社(本店)所在地を管轄する法務局に行く必要があります。
・法務局にて登記する際の登録免許税…6万円
合同会社を法務局にて設立登記するには、最低6万円の登録免許税が必要になります。
実際には資本金の額×0.7%の登録免許税が必要で、資本金が約860万円以上の場合は6万円以上になります。(資本金については後述)
- 会社や不動産の登記、特許申請など約50の項目に関する税金。これを納めることで初めて法的に存在を認められる
登記免許税は収入印紙で納める必要があり、他の登記申請書類と一緒に提出します。
・紙の定款に貼る収入印紙…4万円
定款とは、合同会社設立時には必ず作成しなくてはいけないもので、合同会社の事業目的や構成員など様々な項目について記載されている文書のことです。
定款には紙で作成したものと、電子定款の二種類あります。
どちらを法務局に提出しても構いません。
紙で定款を作成した場合は、定款に収入印紙4万円を貼る必要があります。
電子定款の場合は不要ですが、自分で電子定款を作成する場合は専用の機材が必要になります(次に記載)
・電子定款を作成する機材…約1万円
電子定款とは、簡単にいうとPDFファイルにした定款に、「電子署名」を付与したもののことを言います。
電子署名とは、電子文書(PDFファイルなど)に付与する、電子的な証であり、紙文書における印やサインにあたります。
この、電子署名をするにあたり、いくつかの必要機材があり、これらの購入費用に約1万円ほどかかります。
詳しくは「初めての電子定款作成に必要な知識と機材とその手順」をご覧ください。
電子定款を自分で作成せず、代行業者にお願いする方法もあります。(詳しくは後述)
2.印鑑関係(会社と個人)
合同会社を設立するにあたっては、必ず会社と個人(代表社員)の実印が最低限必要になります。
実印とは、個人だと住民登録をしている市区町村役場、会社だと管轄の法務局にて登録した印鑑のことを言います。
会社
法務局の設立登記の申請書には、会社の実印を押すところがあります。
設立登記の申請書と一緒に、印鑑登録の申請書も提出します。
・会社の実印…7000円~
会社実印とは、本店所在地を管轄している法務局に届出している会社の実印のことです。
会社の代表者としての役割を果たす印鑑たので、代表者印ともいいます。
外側に会社名、内側に合同会社の場合は「代表社員」という文字が入ります。
合同会社を設立するにあたっては会社の実印のみでいいのですが、通常は「銀行印」と「角印」の3本セットで作成する場合が多いです。
ハンコヤドットコム様より
- 銀行印…会社が預金の支払いや手形・小切手に押印するため、銀行に届ける会社の印鑑です。会社実印より一回り小さいサイズで作成することが多い。
- 角印…会社の契約書や見積書、領収書など日常業務で対外的に発行する書類に押印する会社の印鑑です。
会社の印鑑3本セットで数千円でネットで売っているところも多数あります。
安く仕上げるなら利用するのが良いでしょう。
・会社の印鑑登録…無料
会社の実印は作っただけでは効力はありません。
法務局にて印鑑登録をする必要があります。
法務局にて設立登記の申請書と一緒に提出します。
会社の実印登録は無料で、書類の提出のみです。
・会社の印鑑カード…無料
会社の実印を印鑑登録すると、印鑑カードを作成することができます。
この印鑑カードがないと、会社の印鑑証明書は取得できません。
印鑑カードは会社の設立登記が完了してからの発行になります。
通常は、設立登記の申請書を提出してから7~10日程度、登記に時間を要するので、再度、設立登記が完了してから法務局にいって取得することになります。
設立登記が完了していれば、即日発行も可能です。
・会社の印鑑証明書…450円/1通
会社の印鑑カードが発行されると、会社の印鑑証明書を取得することができます。
会社の印鑑証明書は法務局の合同会社設立登記に使用します。
個人(代表社員)
合同会社の設立登記の申請書と一緒に、個人(代表社員)の印鑑証明書が必要になります。
・個人の実印…3000円~
個人の実印は、三文判でも登録出来る可能性はありますが、いくつかの要件があり、市区町村によって微妙に違います。
できればきちんとしたものを作成した方が良いでしょう。
以下に例として要件をあげておきますが、詳しくは市区町村にご確認ください。
- 住民票に記載されている氏名、氏、名、または通称を表わしているもの
- ゴム印など印材の変化しやすいもの
- 印影の大きさが一辺の長さ8ミリの正方形より小さいものまたは、一辺の長さ25ミリの正方形より大きいもの
- 印影が不鮮明で文字が判読できないもの
- すでに他の人(家族を含む)が登録している印鑑
・個人の印鑑登録…無料~300円
お住まいの市区町村にて個人の印鑑登録をします。
市区町村によって金額が変わりますが、無料~300円ほどです。
印鑑登録をすると、印鑑カードを発行してくれるところが多いです。
・個人の印鑑証明書…200~400円/1通
合同会社の設立登記の申請書と一緒に個人(代表社員)の印鑑証明書が1通必要です。
金額は市区町村によって違いますが200~400円程度です。
3. 合同会社の資本金
合同会社を設立するにあたっては、必ず「資本金」が必要です。
資本金とは、簡単にいうと会社をスタートさせるための準備金です。会社設立後はこのお金が運転資金となったり、設備資金となったります。
資本金は、法務局の設立登記の申請書類のひとつとして、実際に通帳のコピーを添付します。
資本金は1円からでも設立は可能です。
とにかく安く、合同会社の設立をしたいのであれば1円でも良いでしょう。
ただ、資本金の額は少なすぎても多すぎてもその後の運営にはよくありません。
例えばあまりに低額の資本金だと金融機関の口座が開けなかったり、1000万円を超えると初年度から消費税を納めなければならなかったりと、いろいろ不都合があります。
合同会社設立後の運営を考えるなら、資本金の額は“300~1000万円”くらいがベストではないかと思います。
- 資本金の額が1000万円を超えてしまうと、会社設立のメリットのひとつである、設立2期までは消費税が免除される特典が受けられません。
- ただし、初年度の事業開始から6か月間に課税売上高と給与支払額の両方が1000万円を超えないことが要件です。
4. 合同会社設立を代行する費用
合同会社の設立手続きは、自分で行うことも充分可能です。
しかし、合同会社の設立費用は、代行業者にお願いしても、自分で設立しても、実はそれほどの差はありません。
自分で設立した場合、法務局への提出書類である定款を紙で作成すると、4万円の印紙代がかかります。
自分で電子定款を作成した場合が一番安いですが、それに伴う手間はそれなりに面倒し、機材の購入も必要です。
代行業者へ依頼した場合は、業者によって手数料金額は違うものの、数万円の手数料でスピーディで確実な設立が可能となります。
何度も設立するのであればともかく、たった1度の合同会社設立なのであれば、代行業者を選択肢に入れるのはオススメです。
参考.合同会社設立の流れとメリット・デメリット
合同会社の設立にあっては、費用だけではなく、設立の流れや、メリット・デメリットも押さえておきたいところです。
以下の記事をぜひご覧ください。
『初めての合同会社設立でも簡単な手続きの流れ完全4ステップ』
『合同会社を考えるなら押さえておきたいメリット・デメリット』
最後に
合同会社の設立費用に関する項目をあげてみました。
合同会社を設立するにあたっては、費用面だけでなく、業種や事業規模、資金繰り、将来性など様々な面を考慮した上で選択する必要があるということです。
・なるべく費用を押さえて設立したい
・家族経営で規模を大きくせず営み続けたい
という場合には合同会社をオススメします。
私個人としては、ぜひ専門家の無料相談を利用して欲しいということです。
無料相談ですから、有益な情報だけ引き出して、あとは自分で手続きするのも手でしょう。