あなたは今、初めての会社設立にあたり、電子定款認証とは何なのか、その手順ややり方について迷われていることと思います。
そもそも皆さんにとって“電子定款”そのものがあまりなじみのないものと思います。
電子定款とは、会社設立の際に必ず必要な「定款」に「電子署名」を付与したものをいいます。
それを公証役場に行って、正しい手続きで作成したことを公証人に証明してもらうことを「認証」と言い、この一連の流れを「電子定款認証」と言います。
電子定款認証は、必要な手順さえ踏めば誰にでも行うことは可能です。
ここでは、電子定款認証を行うにあたり必要な知識とその手順をご説明します。
ぜひ、会社設立の際にお役立てください。
もくじ
1. 電子定款認証手続きの流れ
2. 電子定款の作成方法
3. 定款の電子公証申請(法務省:登記・供託オンライン申請システム)
3-1. 申請者情報の登録
3-2. 申請用総合ソフトのダウンロード
3-3. 申請用総合ソフトから電子定款を送信する
4. 公証役場で定款の電子認証
5. 定款認証が完了したら次は会社設立登記へ
1. 電子定款認証手続きの流れ
まずは、電子定款の認証手続きの流れを簡単にご説明します。
詳しくは、後述しますのでお読みください。
2. 電子定款の作成方法
電子定款認証のご説明の前に、電子定款の作成方法よくわからない場合は、「初めての電子定款作成に必要な知識と機材とその手順」をご覧ください。
3. 定款の電子公証申請(法務省:登記・供託オンライン申請システム)
作成した電子定款は、法務省の「登記・供託オンライン申請システム」を使って公証役場に送信します。
「登記・供託オンライン申請システム」のサイトにアクセスしてから次をお読みください。
3-1. 申請者情報の登録
まずは、「登記・供託オンライン申請システム」の申請者情報の登録をします。
動作環境
- Microsoft Windows Vista(32bit版)
- Microsoft Windows 7(32bit版及び64bit版)
- Microsoft Windows 8(32bit版及び64bit版)
- Microsoft Windows 8.1(32bit版及び64bit版)
ブラウザ
- Microsoft Internet Explorer 7,8,9,10,11(推奨)
※申請者IDは自分で自由に設定できます。ただし、他に使用者のいないものに限ります。
3-2. 申請用総合ソフトのダウンロード
申請者情報の登録が終わったら、次に先ほどと同じページから「申請用総合ソフト」をダウンロードしてインストールします。
3-3. 申請用総合ソフトから電子定款を送信する
インストールした申請用総合ソフトを使って、電子定款を送信します。
電子定款の送信手順
- 申請用総合ソフトを立ち上げる
- 「申請書の作成を行う」を選択
- 「申請書様式一覧選択」から「電子公証」を選択
- 「電磁的記録の嘱託」を選択
- 「件名」を入力(作成する商号など自由に入力)
- 「法務局」「公証役場」を選択すると「公証人」の名前が選べるようになるので、あらかじめ事前打ち合わせをしておいた公証人の名前を選択
- 「ファイル添付」で電子定款ファイルを選択
- 「電子付与」で代表者が電子署名
- 「申請データ送信」で送信完了
4. 公証役場で定款の電子認証
電子定款認証は、データを送信して終わりではありません。
必ず公証役場に出向く必要があります。郵送対応は不可です。
なぜなら、大切な会社の定款認証ですから、勝手に他の人が電子定款を作って送信していないかを確認するため、公証人は代表者本人が電子署名をしたことを直接確認する役目があるからです。
代表者が直接いけない時(司法書士など代理人が行く場合)は、委任状でも対応しています。
必ず、事前に公証人と日程の打ち合わせをしてから行くようにしてください。
公証役場に行くときには、以下の持ち物と費用が必要になります。
公証役場に行く時の持ち物
- USB・CD-R・CD-RW・フロッピーディスクのいずれか1点(中がカラのもの)
- 発起人(出資者)全員の印鑑証明書
- 電子署名をした発起人以外の委任状(発起人が複数いる場合)→電子定款用公証役場委任状
- 身分証明書(写真つき住基カードや運転免許証など)
- 印鑑
公証役場でかかる費用
- 公証人へ払う認証手数料…50,000円(現金で用意する)
- 情報保存料:300円
- 定款の謄本(写し)交付手数料…1600~2000円(250円×枚数分用意する)
公証役場で定款の認証が完了すると、持参したUSBに電子定款・認証文ファイル(電子公文書)などのファイルが保存されているフォルダをコピーしてお渡しします。
そして、紙ベースの定款を2通、公証人から取得してください。
1通は会社保存用、1通はこのあとの法務局での会社設立登記申請に使用します。
5. 定款認証が完了したら次は会社設立登記へ
公証役場での定款認証が終わると、今度は法務局にて会社設立登記申請をします。
会社設立登記の簡単な流れは以下の通りになります。
会社設立登記の流れ
- 資本金の振込
- 登記申請書の作成
- 法務局にて登記申請
- 登記申請後、約1週間にて設立完了
詳しくは、「初めての会社設立でも自分でできる手続きの流れ全4ステップ」をご覧ください。
最後に
いよいよ会社設立までのゴールが見えてきました。
法務局にての登記申請は「初めての会社設立でも自分でできる手続きの流れ全4ステップ」をご参照ください。
しかし、定款の原案作成から、設立登記申請まで、自分でやることは充分に可能ですが、それにかかる費用や手間はかなりかかることがわかっていただけたと思います。
もし、まだ会社設立を漠然とお考えである方は、ぜひ一度、専門家の無料相談も視野にいれてみてはいかがでしょうか。
費用の面では、自分でやるのと、専門家にお願いするのはそれほどの違いはありません。
専門家の意見を聞いたうえで、自分でできるところはやるなど、上手に利用するのも手でしょう。