役員報酬と給与の違いと支給のポイント3つ

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あなたは今、役員報酬と給与との違いについてお調べだと思います。
会社で働いている内部の人に対するお金の支払い方には「役員報酬」と「従業員給与」の二種類があります。
ここでは、この二つについての違いとその支給時のポイントについてお話しします。

ぜひ参考にしてください。

もくじ

0. 役員報酬と給与の違い

1. 役員報酬と従業員給与の一番の違いは「損金算入できるかどうか」

2. 役員報酬は「雇用保険料」を徴収しない

3. 役員報酬も従業員給与も共に「給与所得」

(参考)役員報酬を支給する人の範囲

0. 役員報酬と給与の違い

まずは役員報酬と給与の違いを簡単にご説明します。

役員報酬と給与の違い

  • 役員報酬…法人税法上の役員にあたる人に対して会社から支払われる報酬のこと
  • 給与…会社で働く従業員などが労働の見返りとして会社から支払われるすべてのもの(諸手当を含む)

簡単にいうと、役員に対して支払われるのが役員報酬、従業員に対して支払われるのが給与(従業員給与)です。

役員は、役員報酬と給与の両方をもらうということはありません。

また、残業代や諸手当などもなく、毎月同じ金額を役員報酬として受け取ります(定期同額給与)。

 

1. 役員報酬と従業員給与の一番の違いは「損金算入できるかどうか」

役員報酬と従業員給与の1番の違いは、支払ったお金を損金算入(税金を減らすこと)ができるかどうかです。

役員報酬と従業員給与の損金算入の違い

  • 役員報酬…定期同額(毎月同じ金額)でないと損金算入が認めらない。増額・減額も年度始に株主総会を開いて金額を決定しないといけない。その際は株主総会議事録を残す。突発的に支給される役員賞与は損金不算入。
  • 従業員給与…全額損金算入。増額・減額も自由。

役員報酬として支払ったお金が損金に算入できないと、かかる税金がその分多くなってしまうので重要な要素です。

その点、従業員給与は全額が損金算入でき、なおかつ増額・減額も自由にできます。
役員報酬の変更の仕方は「役員報酬を変更するための手順と注意点ポイント5つ」をご覧ください。

 

2. 役員報酬は「雇用保険料」を徴収しない

役員報酬の場合は「雇用保険料」を徴収しません。
なぜなら、役員の場合は雇用保険の適用外だからです。

雇用保険とは、会社で働く人が何らかの理由で働けなくなり失業状態となった場合に、再就職するまでの一定期間、一定額のお金を受け取ることができる保険のことです。

雇用保険は失業保険とも呼ばれていますが、役員の場合は、加入資格がないため、たとえ失業したとしても失業保険をもらうことはできません。

従業員は、一般の事業の場合であれば、支給総額の5/1000を負担します(会社の負担率は8.5/1000)。

※中小企業であっても、大企業に負けない「いい会社」を作りたい方はこちら

 

3. 役員報酬も従業員給与も共に「給与所得」

役員報酬と従業員給与の所得税の取扱いですが、どちらも所得税を計算する時には「給与所得」となります。

つまり、役員報酬も従業員給与も、所得税法上は同じ取扱いをするということです。
具体的には以下のとおりです。

役員報酬と従業員給与の取り扱い

  • 基本的にどちらも源泉徴収(給与天引き)する
  • 所得税の計算方法はどちらも同じ
  • 1カ所からのみ給与を受け取っている場合は「甲欄」、2カ所給与の場合は「乙欄」
  • 発行する用紙は「給与所得の源泉徴収票」

基本的には、役員報酬も従業員給与も毎月支払うべき税金関係を源泉徴収(給与天引き)します。

所得税などの計算方法も同じで、1カ所からのみ給与を受け取っている場合は「給与所得の源泉徴収税額表」の「甲欄」を適用し、2カ所給与の場合は「乙欄」を適用します。

1カ所給与の場合は、会社が年末調整で所得税額を確定、源泉徴収票を発行し、納税をします。

ですので、1カ所給与の場合は、役員であっても確定申告の必要はありません。

 

(参考)役員報酬を支給する人の範囲

そもそも、役員報酬を支払うべき役員の範囲とは「法人税法に定められている役員」が役員報酬に該当します。
役員報酬に該当する法人税法の役員は、法務局に登記されている会社法の役員よりも範囲が広くなり、主な要件は以下のとおりになります。

法人税法の役員の範囲

  • 実質的に経営に従事していると認められる人
  • 同族会社の従業員のうち、一定の要件をすべて満たす人

実質的に経営に従事しているとは、主要な取引先との案件や金融機関との決定権を持っていたり、採用人事権を有していたりすることを言います。

法務局に登記していない役員であっても、税法上は役員とみなされてしまう可能性があります(これをみなし役員と言います)

同族会社の従業員のうち一定の要件を全て満たす人とは、例えば株主である代表取締役の家族などがこれにあたります。

会社法の役員登記と違って、誰を役員とみなすかは経営者が決めることではなく、法人税法で定められたものとなります。

役員報酬に該当するのは、会社法上の役員はもちろん、実態によっては、みなし役員となりうる可能性もありますので、法人税法による役員の判断は、税理士に相談したほうがよいでしょう。

最後に

いかがでしたでしょうか。
役員報酬と給与の違いがわかっていただけたでしょうか。

役員報酬は「報酬」と名前がついていますが、所得税法上の扱いは「給与所得」となり、従業員給与と同じ扱いになります。
しかし、金額の設定や、損金算入には条件があるなど、取扱いには注意が必要です。

役員報酬の変更は「役員報酬を変更するための手順と注意点ポイント5つ」をご覧ください。

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この記事を書いた税理士に役員報酬の相談をしたい方へ

意外に知られていない税理士の大事な仕事のひとつに「役員報酬の設定に関するアドバイス」があります。

役員報酬とは、経営者をはじめ、会社の役員がもらう報酬のことですが、役員報酬には従業員給与とは違い、税法上の決まりがいろいろあり、設定には最新の注意が必要です。

税金をもっとも少なくしたい時の役員報酬の設定方法や、金融機関からの融資を考えた場合、運転資金を残したい場合など、会社の状況に応じて設定額がさまざまにかわります。

いろいろなバランスを見て、経営者の意向を反映して一緒に設定額を考えます。

※メールや電話でのご相談は現在承っておりません。台東区にあるオフィスにお越しいただける方を対象としておりますので、ご了承ください。

詳しくは下記ボタンよりご説明をお読みください。


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