見積書を自分のフォーマットで作成しなくてはいけない場合に、何を参考にしたらいいか困ることもあると思います。
見積書とは、お客様から見積もり依頼を受けた時に、価格や納期などの見積もり条件を記載し、提示する文書のことです。
ここでは、最低限ビジネス文書としてここだけは押さえておきたい最もシンプルな見積書の書き方のポイントをお話しします。
ぜひ参考にしてください。
もくじ
0. 最低限押さえておくポイント5つ
1. 取引年月日
2. 相手先会社名・氏名
3. 書類作成者会社名・氏名
4. 取引内容
5. 取引金額(税込み)
6. その他の記載したい箇所
0. 最低限押さえておくポイント5つ
見積書を作成する時に最低限押さえておきたいポイントは以下の5つです。
- 1. 取引年月日
- 2. 相手先会社名・氏名
- 3. 書類作成者会社名・氏名
- 4. 取引内容
- 5. 取引金額(税込み)
なぜこの5点を押さえておきたいかというと、国税庁の定める保存義務のある請求書の要件がこの5点だからです。
国税庁HP…No.6625 請求書等の記載事項や発行のしかた
見積書は請求書の前段階ではありますが、基本的には同じような様式で作成されます。
見積書は最低限、この5点を押さえておけばビジネスとして問題のない書類と言えるでしょう。
1. 取引年月日
見積書の右上に取引年月日(または書類の発行日、見積日)を記載します。
見積書に関わらず、請求書や送付状などビジネス文書において日付は必ず右上です。
日付のない見積書は、見積書の有効期限や見積書を何回も発行した場合など、どの時点の見積を元に話が進められたのかがわからずトラブルの原因になります。
手間でも必ず記載します。
2. 相手先会社名・氏名
左上に見積書の相手先会社名と氏名を記載します。
これもビジネス文書においては必ず左上に記載します。
相手先から名刺を頂いた場合には、名刺を元に記載します。
株式会社などは(株)などと略すのは失礼にあたるのでやめましょう。
相手先会社名・氏名の後ろには「御中」や「様」をつけます。
会社名、部署名には「御中」、個人名には「様」をつけます。
この時「御中」と「様」の両方はつけないように注意しましょう。
・会社名のみの場合…○×株式会社 御中
・会社名と部署名の場合…○×株式会社 総務部 御中
・会社名、部署名、氏名の場合…○×株式会社 総務部 部長 山田様
3. 書類作成者会社名・氏名
右上に(日付の下)に書類の作成者の会社名と氏名を記載します。
基本的には、会社名、住所、電話番号(FAX番号)、氏名の4点を記載します。
会社名のところには、あれば会社のロゴをいれる場合が多いです。
そして、会社の社印(角印)や担当者の印を押印します。
社印のみ、担当者印のみでも構いません。
社印は会社名や住所に少しかぶせて押すのが通例です。
押印は必ず朱肉を使用します(赤スタンプではありません)。
最近では見積書や請求書をPDFデータでやりとりする場合もありますが、この場合でも押印はあった方が良いです。
法令としては押印のない見積書でも問題はありませんが、日本はハンコ社会なので、今でも押印のない書類は非常識と思われる可能性は高いです。
面倒でもWordなどで作成した見積書をいったん紙出力し、押印してからカラーでPDFデータをスキャンして作成しましょう。
Wordデータをそのまま送るようなことは絶対にしないようにしてください。
- 丸印…会社の実印であり、代表社印です。会社を設立する時に法務局に登記する印鑑となります。契約書などに捺印した際には印鑑証明書を添付して提出します。
- 銀行印…文字通り銀行にて登録する印鑑です。通常、会社の実印より一回り小さい印鑑です。
- 角印…会社の認印のようなものです。見積書や請求書、発注書、領収書など、会社で日常的に発行される書類に捺印する印鑑となります。
※ネットで検索すれば、3本セットを数千円で売っているところも多数あります。
4. 取引内容
取引項目には、項目の名称、摘要、数量、単位、単価などを記載します。
できる限りわかりやすく、誤解のないような表現で記載します。
また、国税庁HPでは、以下のような書き方も認められています。
- 一定の期間内の取引をまとめて記載する方法
- 商品名等について個々の名称でなく、ひっくるめた記載方法
- 商品名を記号や番号などで表示してあっても、記号表などを作成している場合
5. 取引金額(税込み)
一番大事な見積金額です。
大きな文字ではっきりと記載します。
一目でわかりやすいように、上部にひとつ、取引内容の最後にひとつと両方記載する方が良いでしょう。
ここでは、取引内容の個別詳細のところは税抜き金額で記載し、小計、消費税、税込み金額で記載する方法をとっています。
個別詳細のところから税込で記載しても構いません。
税抜き金額のみの見積書はやめましょう。
6. その他の記載したい箇所
最低限、押さえておけば良い点は以上の5点ですが、それに加えて記載すると良い箇所をあげておきます。
・見積有効期限
この見積書の有効期限です。
だいたい2週間から1ヶ月程度、すぐに決めて欲しい場合などは3日などの場合もあります。
見積有効期限の役割は、納期が迫っている場合などにいつまでに受注しないと間に合わないということを明確にしたり、相手の意思決定の決め手になったりします。
法律的には有効期限を何日以内にしなければならないという制限はありません。
・見積書番号
見積書は一枚だけとは限りません。
似たような内容の見積書を1日に何枚も提出することもあります。
そうした時に、どの見積書で受任したかを明確にするために見積書番号をふることでトラブルを避けることができます。
・納期
受任するにあたり、いつまでに納品できるのかはとても重要なことです。
相手がいつまでに納品して欲しいと明確にしている場合や、反対にいつまでに納品して欲しいと明確にしていない場合などにも、はっきりと記載することでのちのちのトラブルを避けることができます。
・納品場所
納品場所が一箇所の場合はともかく、何箇所にもわたって納品する場合には、発送料などの関係もありますので記載しておく方が良いです。
また発注者と納品場所が違う場合もありますので、トラブルを避けるためにも記載しておきましょう。
・備考
この見積書において特別な仕様がある場合などには必ず備考に詳細を記載しましょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。
ここではもっともシンプルな見積書の書き方をお話しました。
以上の点を最低限押さえておけば、ビジネスで使用する見積書としては問題はありません。
見積書は初めての取引で使う文書ですから、失礼のないようにしたいですね。