合同会社を考えるなら押さえておきたいメリット・デメリット

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合同会社はここ数年、新規設立数が右肩上がりに伸びている人気の設立方法です。
2013年の合同会社の設立件数は15,456件でした。(2014年9月発表、法務省 登記統計より)

しかし、株式会社の設立件数は83,329件で、依然として合同会社の5倍以上の設立件数があります。
近年、合同会社の設立件数が増えている一番の理由は、その費用の安さです。(のちに詳しく説明します)

では株式会社を選ばれる理由は何でしょうか。
ここでは、合同会社のメリット・デメリットを株式会社と比較してご紹介するとともに、個人事業から合同会社を設立した時に得られるメリット・デメリットをご紹介します。

もくじ

0. 合同会社を設立するメリット
1. 株式会社と比較した合同会社のメリット・デメリット
1-1. 合同会社の設立費用はたった6万円
1-2. 合同会社は株式会社と同じ“節税メリット”が受けられる
1-3. 合同会社は利益分配や経営の自由度が高い
1-4. 信用度は合同会社より株式会社のほうが上
1-5. “代表取締役”と名刺に入れられるのは株式会社
1-6. 合同会社は上場ができない
1-7. 役員任期ごとの手続きが不要

2. 個人事業から合同会社を設立する場合のメリット・デメリット
2-1. 合同会社は税金面で4つの点が優位
2-2. 決算日を自由に設定できる点は合同会社が有利
2-3. 合同会社でも融資・資金調達が有利というわけではない
2-4. 合同会社は経営面でのリスクが少なくなる
2-5. 合同会社は事業承継が容易、相続税がかからない
2-6. 合同会社設立には設立費用が必要
2-7. 合同会社を設立すると、最低でも7万円の法人住民税が発生
2-8. 個人の時より、経理事務負担が増大
2-9. 合同会社を設立すると社会保険への加入義務が発生

0. 合同会社を設立するメリット

合同会社を設立するにあたってはメリット・デメリットがありますが、ひとつ言えることは、業種や事業規模、資金繰り、将来性など様々な面を考慮した上で選択する必要があるということです。

私の考えとしましては、
・なるべく費用を押さえて設立したい
・家族経営で規模を大きくせず営み続けたい
という場合には、合同会社をオススメします。

以下から、「株式会社」と比較した場合、「個人事業主」と比較した場合のメリット・デメリットをご説明しますので参考にしてください。

 

1. 株式会社と比較した合同会社のメリット・デメリット

会社を設立する、と言った時に、真っ先に思いつくのは株式会社ではないかと思います。
今でも年間10万社の新設法人のうち、8万社以上が株式会社です。
ここでは、株式会社と比較した合同会社設立のメリット・デメリットをお話いたします。

1-1. 合同会社の設立費用はたった6万円

合同会社費用比較

近年、合同会社の設立件数が増えている一番の理由は、その費用の安さです。
合同会社の場合、設立に必要なのは登録免許税6万円のみです。(株式会社の登録免許税は15万円)
また、株式会社には定款の認証費用5万円が必要ですが、合同会社は定款の認証が必要がありません。
そのため、株式会社設立時に必要な公証役場での定款認証手続きが不要なため、事務負担も軽減します。
とにかく安く設立したい、という場合は合同会社がお得です。
※電子定款にて会社設立した場合の費用比較

1-2. 合同会社は株式会社と同じ“節税メリット”が受けられる

合同株式節税メリット

合同会社は、個人と比べて節税メリットが株式会社とまったく同じく受けられることもメリットのひとつです。
個人だと、経費の範囲が非常に狭く、経費として認められないものが多いです。
合同会社は、株式会社と同じだけの節税効果が得られることがメリットになります。
詳しくは、後述する「2. 個人事業から合同会社を設立する場合のメリット・デメリット」をご覧ください。

1-3. 合同会社は利益分配や経営の自由度が高い

合同会社利益の分配

合同会社では利益の配分を、出資比率に関係なく社員間で自由に決めることができます。
また株主総会も必要ないため、迅速かつ簡単に経営上の意思決定が行えます。
定款で規定できることも自由度が高いです。

ただ、会社運営に関する自由度が高いために、逆に会社の規模が大きくなった時にデメリットになることがあります。

例えば、合同会社は利益配分を自由に決めることが出来ますが、会社が大きくなった時にこの「利益配分の自由度」が元でトラブルになるケースがあります。
設立時から大会社で利益配分の規定もしっかり決めてある場合は問題ありませんが、徐々に大きくなって途中で決めていくとなると大変です。

株式会社は株主の持分割合に応じての利益配分になりますので、利益配分に関するモメごとはありません。

1-4. 信用度は合同会社より株式会社のほうが上

合同株式信用度
この場合の信用度とは主に取引先からの信用度です。
合同会社という制度はまだまだ認知度が低く、取引先からの信用度にかけます。
よく会社設立するきっかけとして「取引先から会社を作るよう言われたから」ということがありますが、この場合は信用度アップのためにも株式会社をオススメします。

1-5. 合同会社の代表者の名刺の肩書は「代表社員」

合同株式名刺表記

名刺を作成する場合に、合同会社の代表者の肩書きは、『代表社員』『業務執行社員』です。
どうしても一般的には「従業員」と勘違いされる恐れがあるので、代表社員であれば「社長」「代表」「CEO」などと書いても問題ありません。

これらの言葉は法律上規定されているものではありませんので、社内的な名称として自由に決められます。
デザイナーやコンサルタントなど別の肩書きがあるから不要の場合は合同会社でもよいと思います。

名刺を作成する場合に「代表取締役」と入れられるのは株式会社だけです。
名刺に代表取締役と肩書きを入れて営業をされたい方は株式会社を設立してください。

1-6. 合同会社は上場ができない

合同株式と上場
上場が出来るのは株式会社だけです。
いずれは上場を目指すという目標がある人は、将来的に会社の規模を大きくして株式公開や株主からの増資を検討したいと考えている方は株式会社のほうがよいでしょう。

1-7. 合同会社は役員任期ごとの手続きが不要

合同会社の任期

合同会社は、役員の任期を定める必要がありません。

株式会社は役員任期が2年~10年(株式会社の組織によって異なる)と定められており、任期毎に再任等の登記手続きが必要(登録免許税1万円)になります。

 

2. 個人事業から合同会社を設立する場合のメリット・デメリット

個人事業主から合同会社を設立したほうが良いかどうかは、所得と売上に関して大きく2つのボーダーラインが存在します。

(1)年間の課税所得(税引後の所得)が400万円以上

(2)年間売上が1000万円以上

個人の所得税は、所得が増えれば増えるほど税率が上がってくるため、税率が一定の法人税と比べて、個人の所得が大きくなればなるほど、会社を設立したほうが節税効果は高くなります。
税引後の所得が400万円がそのボーダーラインとなります(業種にもよりますが、ひとつの目安です)。
また、年間売上が1000万円を超えると、個人であっても消費税を納税しなくてはいけなくなりますが、会社を設立すると、消費税が2期免除になるため(要件があり)、年間売上が1000万を超える場合は、設立を検討したほうがよいでしょう。
下記に、個人事業と合同会社のメリット・デメリットを記載しておりますのでご参考になってください。

2-1. 合同会社は税金面で4つの点が優位

合同個人税金面

合同会社は、以下の4点が個人事業より税金面で優位になります。

※1. 二つの要件をクリアすると消費税が2期免除になる

1. 設立時の資本金が1000万円未満であること(999万9999円まで)
2. 設立1期目開始6か月間の課税売上高と給与支給額のどちらかが1,000万円以下であること

※2. 赤字が9年繰り越せる(個人は3年)

青色申告をすると、欠損金(赤字)が発生した場合に、その額を翌期以降に繰り越して、後の黒字と相殺させる事が可能です。
繰越には期限があり、個人の場合は3年、法人の場合は9年となっています。

※3. 生命保険を経費にできる

保険の契約内容にもよりますが、保険契約者が法人の場合、役員又は従業員を被保険者とする生命保険料は、全額または半額を損金(経費)にすることが出来ます。
個人の場合は、最大で10万円のみ所得控除が可能です。

※4. 家族や親族に給与を支払える

個人事業は、「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出し、「同一生計の親族(15才以上)」で、「事業期間の半分以上事業に専ら従事している」、労務の対価として相当な額のみが経費として認められます。
法人の場合はこういった制限は無く、例え非常勤であったとしても、会社の経費として報酬を支払うことが可能です。(勤務実態があることが前提)

2-2. 決算日を自由に設定できる点は合同会社が有利

合同個人決算日

個人事業の場合、事業年度は暦年(1月1日~12月31日)と決まっています。
合同会社は事業年度を自由に決められるため、決算日を繁忙期を避けて設定したり、キャッシュが不足する時期を避ける(納税する資金がなくなることを防ぐ)こともできます。
また、売上が多い月を年度初めにして、節税対策期間を長くとることもできます。
消費税の免税期間(2期)を最長となるように設定するには、設立日より12カ月後の決算日にするほうがよいでしょう。

2-3. 合同会社でも融資・資金調達が有利というわけではない

合同個人融資

融資・資金調達の成功の可能性は、「合同会社」か「個人」かはあまり関係ありません。
最も大切なのは、代表者となるその人個人のこれまでの経歴、業界経験、事業計画書の内容、そして自己資金の額(いかにコツコツ貯めてきたか)によります。

2-4. 合同会社は経営面でのリスクが少なくなる

合同個人経営リスク

合同会社は「有限責任」ですが、個人は「無限責任」です。
無限責任の場合、例えば会社が倒産した時には、個人の財産を持ちだしてでも弁済しなくてはいけません。
しかし、有限責任の場合は、会社が倒産した時には、出資額を限度額として責任を負うことになります。
ただし、出資者個人が債務の保証人等になっている場合はこの限りではありません。

2-5. 合同会社は事業承継が容易、相続税がかからない

合同個人事業承継

合同会社の場合は、社長が亡くなっても会社の財産には相続税はかかりません。(但し、経営者が所有していた株式には、相続税がかかります)
個人の場合は全ての財産が相続税の対象になります。

2-6. 合同会社設立には設立費用が必要

合同個人設立費用

合同会社を設立するには6~10万円ほどの設立費用がかかります。
それ以外にも、会社印の作成費用や、設立後でも役員変更登記などの費用がかかります。

2-7. 合同会社を設立すると、最低でも7万円の法人住民税が発生

合同個人住民税

合同会社を設立すると、赤字であっても支払わなければならない税金があります。
それが法人住民税の均等割です。
毎年赤字であっても最低7万円はかかります。

・法人都道府県民税均等割…2万円
・法人市町村民税均等割…5万円

2-8. 個人の時より、経理事務負担が増大

合同個人経理負担

個人事業と比べて最も大きな負担は「税務申告」です。
確定申告は会計ソフトから提出書類を作成することも可能ですが、合同会社の場合は法人税・消費税・地方税などの申告書を税理士にお願いして作成することになります。
費用的にも最低でも10万円ほどの決算申告料が必要になってきます。

2-9. 会社を設立すると社会保険への加入義務が発生

合同個人社会保険

法人は、例え取締役1人だけの会社であっても、社会保険の加入義務があり、コストも発生します。
個人の場合、社会保険(厚生年金保険・健康保険)については任意適用事業所とされる場合があり、労働保険については、個人事業主と家族従業員は加入できないのが基本的な取り扱いです。
しかし逆に、個人事業主は厚生年金へ加入出来ませんし、従業員を雇う場合、社会保険は1つのポイントになるでしょうから、そういった面では逆にメリットとも考えられます。

最後に

合同会社の設立を考えているなら知っておきたいメリット・デメリットをあげてみました。
それぞれにメリット・デメリットがありますが、ひとつ言えることは、業種や事業規模、資金繰り、将来性など様々な面を考慮した上で選択する必要があるということです。
・なるべく費用を押さえて設立したい
・家族経営で規模を大きくせず営み続けたい
という場合には合同会社をオススメします。
私個人としては、ぜひ専門家の無料相談を利用して欲しいということです。
無料相談ですから、有益な情報だけ引き出して、あとは自分で手続きするのも手でしょう。

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