通勤費の非課税・課税のポイント5つと、注意したい落とし穴

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あなたは今、通勤費の非課税についてお調べしていることと思います。

通勤費とは、会社に通勤するために給与と一緒に支払われている通勤手当のことを意味します。
通勤費には、非課税と課税のポイントがあるので注意が必要です。

また、通勤費はその解釈を間違えると税金が変わってしまうこともあります。
ここでは通勤費についてご説明しているので、ぜひ参考にしてください。

もくじ

0. 注意したい「非課税通勤費」の落とし穴
1. 通勤費は限度額まで「非課税通勤費」として給与計算
2. 非課税通勤費の限度額
3. 交通費が非課税枠に含まれる事例
4. 通勤費が非課税枠から外れる事例
5. 通勤費が非課税枠から外れた場合の処理

 

0. 注意したい「非課税通勤費」の落とし穴

まず、通勤費の非課税についてお話しする前に、通勤費にまつわる税金について押さえたい以下の3つのポイントをご紹介します。

通勤費にまつわる税金

  • 所得税
  • 社会保険・労働保険
  • 会社の損金

通勤費は、この上記3つの計算上の取り扱い方法が全く異なるので注意が必要です。

特に通勤費の非課税が関係するのは「所得税」であって、社会保険・労働保険と会社の損金については非課税は関係ないのです。

そのあたりのことは「通勤費を社長・従業員からみたトクする税金の3つのポイント」をご覧ください。

 

1. 通勤費は限度額まで「非課税通勤費」として給与計算

通勤費は給与計算において限度額までは「非課税交通費」として処理します。

非課税とは簡単にいうと、課税しないお金、つまり給与計算時に給与に含めないお金ということです。

会社は毎月給与から源泉徴収(給与天引き)しますが、非課税通勤費を誤って課税通勤費にしてしまうと所得が増えて所得税などの金額が変わってしまうので注意が必要です。

社長や役員、扶養のパートやアルバイトであっても、通勤に使う交通費については非課税通勤費として給与計算します。

 

2. 非課税通勤費の限度額

非課税通勤費には限度額があるため、それを超えた場合は「課税通勤費」として所得に含める必要があります。

非課税交通費の限度額

  • 電車・バスを利用…月額150,000円まで
  • マイカー・自転車で片道55キロ以上…月額31,600円
  • マイカー・自転車で片道45キロ以上55キロ未満…月額28,000円
  • マイカー・自転車で片道35キロ以上45キロ未満…月額24,400円
  • マイカー・自転車で片道25キロ以上35キロ未満…月額18,700円
  • マイカー・自転車で片道15キロ以上25キロ未満…月額12,900円
  • マイカー・自転車で片道10キロ以上15キロ未満…月額7,100円
  • マイカー・自転車で片道2キロ以上10キロ未満…月額4,200円
  • マイカー・自転車で片道2キロ未満…全額課税
 

3. 交通費が非課税枠に含まれる事例

通勤費が非課税枠に含まれる事例は以下の通りです。

通勤費が非課税枠に含まれる事例

  • 電車・バスであれば1ヶ月の定期代まで
  • マイカーや自転車は距離に応じて限度内まで
  • 自転車通勤における駐輪場代
  • 新幹線通勤
  • 有料道路

ただし、所得税法では「最も経済的かつ合理的な経路及び方法で通勤した場合」の非課税限度額が定められているだけにすぎず、具体的にどのように支給するかまでは規定されていません。

どこまでが支給対象となるかは各会社の規定によります。

例えば駐輪場代ですが、雨の日の電車通勤代はどうするのか、自転車事故等の損害賠償などリスク、といった問題もあります。

社内できちんと考えて規定を作りましょう。

4. 通勤費が非課税枠から外れる事例

通勤費が非課税から外れる事例は以下の通りです。

通勤費が非課税枠から外れる事例

  • 上記2の非課税枠を超えてしまう
  • 会社に無断でマイカーや自転車で通勤し、それを会社に請求している
  • 正規のルートで通勤していない(必要以上に遠回りの定期代を請求するなど)
  • 新幹線のグリーン車代
  • タクシー通勤、運転手つき通勤

基本的に「最も経済的かつ合理的な経路及び方法で通勤した場合」が非課税の対象となります。
それに外れると非課税とされなくなってしまいます。

 

5. 通勤費が非課税枠から外れた場合の処理

通勤費が非課税枠から外れた場合は、非課税枠を超えた部分は課税対象として給与に含める必要があります。

例えば、マイカーで片道13キロ通勤していて、月額10,000円を会社から支給されていた場合、非課税枠は月額7,100円ですから、残りの2,900円は課税通勤費として給与に含まれます。

給与に含まれると、その分の所得が増えますので所得税などが増えることになります。

最後に

いかがでしたでしょうか。
通勤費には、上記に記載のとおり、非課税と課税のポイントがあるので注意が必要です。

また、通勤費は非課税であっても、社会保険料の計算時には給与に含めますし、会社の経費においては全額損金に算入することができます。

通勤費について詳しくは「通勤費を社長・従業員からみたトクする税金の3つのポイント」をご覧ください。

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